五穀米と十穀米
雑穀といってもピンとこない人がいますが、そんな場合でも五穀米や十穀米といえばイメージも湧いてくると思います。
五穀米とは五種の主要な穀物を指す総称であり、その内容は地域によっても異なっていて一定していません。「五穀豊穣」といえば穀物が豊かに実ることを祈願することで知られていますが、ここでも具体的な五種を指さず、穀物全般の総称として考えられており、その種類は様々のようです。
日本より古くから五穀米という概念がある中国では、麻、黍、稷、麦、豆の5種が古代中国の医者の鄭玄注にあり、曾子天円の廬辯の注では豆が菽に代わっています。
菽というのは豆類の総称とも考えられ、稷は諸説がありますが、アワ、キビなどのことのようです。
日本では、古事記によると稲、麦、粟、大豆、小豆であり、日本書紀では稲、麦、粟、稗、豆となります。
又、密教の修行で使用された五種の食物ということで、稲穀、大麦、小麦、則豆、白芥子の5種が登場することもあります。いずれにしても昔からの代表的な人間の主食であり、これら5種をブレンドした米を五穀米と呼ぶのが定着しています。
ちなみに、五穀米とは石川商店から発売されている商品に使われているのが日本初の五穀米商品で、その名称は登録商標になっています。五穀米と同様に十穀米もその内容については古くからまちまちとなっています。